モンテッソーリ教育活動写真 (令和6年度)2学期
モンテッソーリ教育活動写真 (令和6年度)1学期
モンテッソーリ教育について
モンテッソーリ教育ということばを近年聞いたことがあるという方は、まだそれほど多くないのではないでしょうか。「教育」ということばに、「うちの子まだ小さいし、元気に明るく育ってくれたらいいよ。」という思いの方も多いかと思います。実は、その小さいうちにモンテッソーリ教育を経験した子どもと、経験したことのない子どもでは、“意識を持って活動する”ことや“観察力”“積極性”など多くの点で違いが現れます。これは単に、“他の子どもより、早く字が書ける”“小さいのに、足し算ができる”ということではなく、「人格形成」にも携わっているのです。幼稚園に入園して、母子分離を経験し、友達との関わり方がまだ未熟という子どもは、慣れない環境に戸惑います。そしてその情緒の不安定は、お友達を叩いたり、廊下をフラフラしたり、目が泳いで視線が合わないなどの行動の要因となっていたかもしれません。しかし、年長クラスになる頃には、集中力を身につけ、落ち着きが出て、なんと年下の子どもにも手助けしてあげるような優しさや気づきのできる人になっていった子どもをたくさん見てきました。子どもがひとりひとりの発達に沿って、自主的にしたい教具を選び、「できた!」という自信や思考力を自然に身につけていく、子どもたちがとても楽しみにしている教育です。
ちどり幼稚園では、2017年から幼稚園のカリキュラムに加えて、各クラス週に1度、正味60分ほど(れんげ組は、30分ほど)モンテッソーリ教育の活動を導入しました。ちどり幼稚園の特色として、「ちどりっこ農園」での種から野菜・果物を育てることで、身体を動かし観察して「食の大切さ」を学んでいく、いわば「外での教育」があります。そこに「内での教育」として、歌やお絵かきなどのクラスでの活動に、「日常生活の練習」「感覚教育」「言語教育」「算数教育」「文化教育」という5分野の他に、手先を使う様々な活動や、優れた教具、教材を使っての活動となります。
100年以上前に、医学博士であるマリア・モンテッソーリ女史が確立したこの教育法は、世界中で現在でも多くの人が絶賛しています。なぜでしょうか。
時代は大きく変化し続けているものの、子どもの発達の過程はどの時代に生まれても変わらず、普遍的なことであり、モンテッソーリ教育は子どもが“他人を思いやり、思考力を身につけ、ずっと学ぶ姿勢を持つ人”をたくさん生み出してきた事実にあります。巨大なIT企業の創業者や大統領などだけではなく、様々な場所で活躍しその場所の良いリーダーとなっている人たちが多くいます。
日本では、モンテッソーリ教育の幼稚園で集中力、想像力、やる気、意識をもって行動する力を蓄えて来られた、将棋の藤井聡太さんの活躍が目立っています。子どもたちには、好きなことを見つけて夢中になって、その分野を極める人に成長していってほしいと、モンテッソーリ教育の活動の中でたくさんの種をまいています。ひとりひとりの子どもの様子を観察するのが、モンテッソーリ教育の教師の役割であり、子どもを受け入れることが、子どもとの信頼関係を築き、やる気につながります。 6歳までの子どもの発達にとって一番大切な時期を、ぜひ、ちどり幼稚園で過ごして頂きたいと、声を大にして申し上げます。
モンテッソーリ教育教師 川村松代・上村まり子